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結婚式は、”SHOW”から”PARTY”へ!?

DATE: 2014.12.26 TAG:Tags:

結婚情報誌には、売れる“山”が年に2回あるのだそうだ。すなわち盆と正月の2大帰省シーズン、言い換えれば親に会うシーズンだ。読者諸兄の中にも、この年末、婚約者が買ってきた分厚い情報誌を一緒に読んでいるという人もいるかもしれない。ちなみに、THINK30で「理想の結婚式」について首都圏の30オトコに「でっかく豪華に」か「小さく親密に」かの二択を問うたところ、なんと8割以上が「小さく親密に」と答えた。その答えに潜む、イマドキの30オトコカップルの価値観とは。

『ゼクシィ』編集者に近年の傾向について聞いてみた。『ゼクシィ』は、一組平均3冊弱購入するのだそうだが、興味深いのは、1冊2冊と読み、知識が増えていくに従って、価値観が「自分軸」から「他人軸」へと変わっていく傾向がある、ということ。

最初は、自身(多くは新婦)が、どんな会場で、どんな式を上げたいかという視点で入っていくが、やがてそれが「来てくれる親やゲストにとって満足できるものなのか」という視点が強くなってくるのだとか。その傾向を物語るレポートが、「ゼクシィ結婚トレンド調査2014年度版(ブライダル総研)」にある。

結婚式は参加者全員で幸せを「シェア」する場になりつつある。披露宴だけでなく、挙式でもゲスト全員が「参加者」として関わり、幸せを「シェア」する場面が増えている

「小さく親密」な結婚式は、広くお披露目するというより、小さく親密に幸せをシェアしたい、という価値観の表れなのかもしれない(無論費用面の問題もあるとは思うのだけれど)。事実、「披露」という一方的なニュアンスが昨今の価値観に合わないということで、「披露宴」という言葉を使わない式場も現れ始めているのだそうだ。

最近、仕事でいくつかの結婚式場の方のお話を聞く機会があったが、皆似た課題を抱えておられた。ひと昔前は、立派な式場写真を情報誌に載せておけば人は来てくれたが、今は徹底的にリサーチし、事前に精査してから来場するため、一人あたりが見学する式場数が減り始めている。きれいな式場写真だけでは呼べなくなってきている、と。

これは「自分軸から他人軸」の話にもつながる。立派な式場での挙式は、いわゆる「あこがれの実現」という自分軸、穿った見方をすれば自己顕示欲的価値観と言えなくもない。それが、調べるうちに「他人軸」で選び始め、式場(ハード)だけでなく、ゲストが満足できるサービスや品質(ソフト)が期待できるか、というフィルターを通過できた式場に、慎重に足を運ぶことになる。

安くないご祝儀を頂戴して、一方的に「お披露目」するという伝統儀式に後ろめたさを感じる、という側面もあるのではないだろうか。ご祝儀は、歌舞伎や落語といった興行(ショー)の場でも使われる言葉だ。披露宴という名の「ショー」とご祝儀、という伝統的なスタイルは、少なくともここ最近に関して言えば、時代にそぐわなくなってきているのかもしれない。

一方的なショーが、みんなで楽しむパーティーになったのなら、そこで払われるべきお金は、「ご祝儀」よりも「会費」という言い方がしっくりくる。新郎新婦が、親しい人と一緒に楽しむためのパーティーを自由に企画して必要な会費を設定する、いわゆる「会費制結婚式」だ。会費制はもともと北海道の文化と聞くが、現在では会費制結婚式専門のウエディングサービスまで登場してきている。そのメリットとして語られているのは「ゲストへの負担軽減」と「カジュアルな雰囲気」の2つ。まさに、ゲスト目線で考えた、小さく親密な結婚式に通ずるシステムであり、今後増えていく形式なのかもしれない。

結婚式は、いまや「二人のショー」ではなく、「二人を囲んでのパーティー」になりつつあり、そのスタイルは、参加する費用(会費)も含めて多様だ。「結婚式はこうあるべき」という儀式観を脱したとき、そのあり方はいっきに自由になる。みんなで楽しむコスプレパーティーがあったり、独身の友人を集めて結婚式を“出会いの場”にしてしまったり、両親への感謝をテーマとした式があったり、旅好きな二人なら仲間との旅そのものを結婚式としてしまったり…。そう考えると、業界も元気になりはしないだろうか? 結婚式のプロではない我々THINK30でも、素敵な式をプロデュースするチャンスがあるかもしれない..と妄想を豊かにする、37才未婚の筆者であった。